7月分 スワンクリスタル発売! 
  2002年7月12日、スワンクリスタルが発売されました!ワンダースワンをよく判らない方に簡単な説明をしますが、1999年3月にモノクロ液晶の「ワンダースワン(WS)」が産声を上げ、2000年12月にカラー液晶採用の「ワンダースワンカラー(WSC)」が発売されました。
 このWSCが生産コストの関係でSFTN液晶を採用したのですが、「画面が暗い・残像が気になる」といった酷評を受けました。
 そこでWSCの弱点であった液晶を改良した”マイナーチェンジモデル”として「スワンクリスタル(SC)」が発売される事となったのです。

 今回のコラムは僕個人がスワンクリスタルに対して感じている事を、書き綴ります。

■ようやくスタートを切り出せたSC!
 SCが発売されて最大のアピールポイントの「TFT液晶」の評判はかなりいい様子。(一部「暗い・濃い」という意見も有り)
 そんな評判の中で「WSCの時にこの液晶だったら・・・・・・」という意見も聞こえてくるのですが、それは仕方の無いことでしょう。WSCが発売された2000年12月当時では、生産コストの兼ね合いでTFT液晶の採用は折り合いが付かなかった・・・たった1年半前まではそう言う時代だったのです。
 ちなみにGBAの任天堂はシャープとの太いパイプがあるのであの販売価格を実現出来たのを忘れてはいけません。更には当時PC(特に省スペースの液晶モニタ)がまだ売れ続けていた時代で、全体的に液晶の生産が間に合わない背景もありました。

 そういう事も含めて考えればWSCは非常に制約の厳しい中でよく頑張ったハードではあるんですよね。

でも、時代の流れを掴みきれなかったハードでもあるのでは?と僕は感じます。

 モノクロスワン(WS)は、最初から「時代の流れに逆行する」事を意識したマシンだと思うんですよね。ハイスペックなマシン・ポリンゴンのグラフィック・重厚長大なシナリオの流れに一石を投じてみようというチャレンジスピリッツを感じました。流れに乗ろうということではなく、「流れを作っていこう!」という気概・気合い。残念ながら支持は得られませんでしたが・・・

 ところが、WSCは時代のニーズに逆行する事から、流れに乗ろうと180度方針転換するも本流に乗り切れず、支流に流されてしまった・・・・・・そう思うのは僕だけでしょうか?

 そこでSCが投入され、良好な滑り出しのようすですが、気を付けたいのは「ようやく流れに乗り始める事ができた」という事です。

 更にはSCが「どんな流れに乗りたい(乗せたい)」のかをメーカーであるバンダイが、これからどのように示すのか今はまだ良く見えてこないんですよね。

■TFT液晶は武器にはならない
 SCの液晶が「綺麗だ」とかなり良い評判で、今まで販売されていたソフトを、SCでプレーすることによって「再評価」されるケースも出ています。 しかし評価を得ている影の理由に、WSCの液晶との比較からくる評価という事を忘れてはいけません。
 誤解を承知であくまで液晶の話題でたとえ話をするならば、自分の小遣いが1000円(WSC)、友人は1500円(GBA)だとします。それが突然1500円(SC)に値上げしたことと一緒なのです。

 WSCが10年前に発売されれば高い評価を得たかもしれません。ところがインターネットを筆頭に毎月・毎週発行される数々のゲーム雑誌等から、小中学生でも簡単に情報を得られる現在では、TFT液晶は当たり前という流れが出来てしまっているのでしょうね。
 
 WS→時代への挑戦 (存在感はあれども支持は得られず・・・・)
 WSC→時代への流れに乗り切れなかった
 SC→時代の流れに乗り始めた(でも出遅れている?)


 そうイメージすると、SCはハードとしての存在感はモノクロWSと比べて薄いんですよね。(電池寿命まで犠牲にしましたからね)
 流れを作り出そうという雰囲気はおろか、流れに乗らざるおえなかった・・・・明らかに後手に回っているハードのイメージ。 TFT液晶の特徴は、夏が終わる頃にはアピールできないでしょう。そうなるとソフトで存在感をアピールすることが必要不可欠になってきます。

■特徴を最大限に生かしたソフト
 沢山のゲーム機が世に出回って、ゲームソフトもアイデアの鉱脈をほとんど掘り尽くした感のある混沌とするゲーム業界。
 強烈な個性を潰すことを引き替えに、出遅れながらも業界の流れに乗り始めたSC。

 ネガティブな文章だったかもしれませんが悪い点ばかりではありません。現行のゲーム機の中、スワンシリーズだけが持つ最大の特徴「縦持ち・横持ち」があります。これを活かすべきでしょう!
いや、活かさないともったいない!!


 過去のラインナップを振り返ってみると横持ちのゲームがほとんど・・・・縦持ちがわずかで縦横両方を利用したタイトルの数は本当に寂しい限りです。

 FF等を筆頭にした移植タイトルは、対象タイトルの安定した魅力であって所詮は他人のまわしで相撲をとる行為。
 キャラクターゲームはバンダイの場合、キャラが先行でゲーム化されているため、原作のイメージを壊せずに制約もある・・・・・リアルタイプのガンダムがテニスしたり、カート乗ったりする姿は想像できません(過去のコラムにも「普遍性のあるキャラが必要」と書いた事もあります。)そういうゲーム化はそれで個性ではあるのですが・・・・・

 データを取った訳ではないのですが、過去のラインナップで「スワンオリジナル」と呼べるソフトの割合は少ないですよね。

 SC対応「リヴィエラ〜約束の地〜」は、そう言う意味ではSCの未来に光を差し込むような、非常に良く練り込まれたスワンオリジナルソフトです。
 携帯ゲームの為にトコトン考え抜かれ、突き詰めたシステム。しかも「携帯ゲームだからこそ」の楽しみがバランス良く展開されていて、このゲームを楽しむにはSC・WSCを買わなければ遊べない・・・・・・。リヴィエラは既成のRPGに新風を吹き込む、WSにあった「チャレンジ精神」を感じるソフトです。
 リヴィエラは横持ちですが、同じ位の情熱を注いだ「縦持ち/縦横持ち」ソフトが手を抜かず、確実に開発・発売されれば・・・・・・・・スワンの存在感は地味でもしっかりと根付き出すのではないでしょうか?

 「タイトル数が多い」というのは今の時代では何の利点も無いと思います。それよりも期間は掛かるけど、「スワンでしかプレーできない」良質なゲームを確実に出すくらいの思い切りが欲しいですね。

 「出せば売れるだろう」と、いい加減な取り組み方をしているパラサイト的なソフトメーカーが「規模が小さいから」とスワンを敬遠していることが、もの凄く良い事だとポジティブに考えることが大切です。こんな身軽な現状のうちに「クオリティの高さ」の基準を作り上げ、それを満たしていないソフトメーカーには参入させないくらいの誇りが欲しいですね。

 テレビゲームを考えると「コンシューマと携帯」で絶対的に大きな特徴の違い(どちらが良い・悪いの問題ではない)がありますし、携帯ゲーム業界が「GBAとスワン」となれば、「縦・横」を活かしたスワンシリーズオリジナルソフトの方針を打ち出せれば、競りあうのではなくお互いに刺激しあい共存し、携帯ゲーム業界全体の底上げになるのではないでしょうか?
 ハードでは世の流れに乗る形となっていますが、SCには「ソフト」の面で独自の流れを作り出す挑戦をしてくれることを僕は願っています。

 最後に「ネット接続構想」・・・・・・冷静に待ちます。待つしか僕たちには出来ませんから(;^_^A アセアセ… 立ち上がって構築出来れば一気に路が拓ける(みちがひらける)んでしょうけどねぇ〜。